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Platonic Love
第1章 15年後。
思い出は、全て捨てた。
特に彼の思い出は。
だってそうでもしないと彼に会いたくなるから。
彼の元に行きたくなってしまうから。
だから全て捨てた。
彼を思い出さないように。
けど、時々考えてしまう。
たまたますれ違った人が彼に似てたりすると、彼が今どこで何をしているのか考えてしまう。
どんな服を着て、どんな人と恋をして、どんな家庭を築いているのか。
記憶はとても厄介なものだ。
何かの拍子で思い出させるのだから。
そして私に幸せな妄想をさせるのだから。
もし普通の女の子として彼と出会っていたら、私は今も彼の隣にいたのかな?
もし普通の女の子として彼と出会っていたら、私は彼の奥さんになれていたのかな?
そんな“もし普通の女の子だったら”何て言う妄想を私にさせる。
もしなんて妄想してもやり直せはしないのに。