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Platonic Love
第2章 美人さんとジュラシックパーク
『見て見て圭太!この指輪可愛いよ!』
脳裏に響く、恋人の笑った顔とあの時に言っていた言葉。
お前が欲しがってたんだろーが。
だから俺は…俺は……。
数時間前の光景がぼやけながら映しだされる。
軋むベッドと繋がった密部。そしてキスマーク。
グッと小箱を掴む手に力が入る。
恋人の笑顔を想像しながら買った、可愛い指輪が入った小箱。
捨てちまおう。こんな物。
もう不必要だ。
自動販売機の隣に置かれたゴミ箱に小箱を放り投げる。
これで終わり。
捨てカスに埋もれた小箱を見て俺は苦笑いした。
本当、何もかも馬鹿馬鹿しい。
あいつを想ってた時間も、あいつを喜ばせようとしてた自分も、大好きだった3年間も。
「馬鹿馬鹿しい……クソビッチ」
ポロっと、右目から何かが零れ落ちた。
それが何なのかは分かっていたけど、認めたくなかった。
だってムカツクじゃん?認めたらさ。