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俺はキミだけに恋をする
第1章 prologue
……はぁっ……はぁっ……

大野と俺は勝負を終え、その場に座り込んだ。

桜が俺たちの元へドリンクを持って来る。
それを受け取ると、大野は一口飲んで言った。

「やっぱり……俺と一ノ瀬の思ってた通りだったな」

「勝負はお前の勝ちだな、成瀬」

「…………思ってた通りって?」

俺は息を整え聞いた。

「俺も一ノ瀬も、お前はもっとやれるのに、わざとそれを表に出してないんじゃないかって。初めに気づいたのは一ノ瀬だけどな」

大野の言葉を聞いて、俺は驚いて桜を見た。

「まぁ、お前の本当の実力は分かったし、今日からはちゃんと練習しろよ」

「10分休憩な」と言って、大野は俺と桜の側を離れた。

「涼。マネージャーの仕事手伝ってくれるのは嬉しいけど、今日からはレギュラーに選ばれるように練習に集中して!大野くんに勝てたんだもん。きっと涼なら出来る」

桜はそう言って微笑んだ。


俺がバスケ部に入ったのは、桜の側にいたいから……それだけだった。

別にレギュラーになりたいとか思ってなくて。

マネージャーの仕事は大変だから、練習もそこそこに桜の手伝いをやってたんだ。

でも実は前の学校でもやっていて、バスケの強豪校でレギュラーだった。




………桜。お前は気付いていたのか?




俺がずっと自分を偽っていたことに……。
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