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第3章 lll

「司祭様、初めまして」

にこやかに手を差し延べ、丁重に握手を求めるラファエル

「こちらの教区でお世話になります、ラファエルと申します
よろしくお願いします」

「ラファエル子爵、初めまして」

「つきましては僅かばかりではありますが寄付をさせていただきたく、ご挨拶に参りました」

「それはありがたい、感謝いたします、神のご加護を
ラファエル子爵」

「早速ですが、この村のワイナリーを復活させようと考えておりまして」

「それは素晴らしい」

「この辺りのワインは昔から定評があるようで
このまま衰退させるのは忍びないですから」

「村の皆も喜びます」

「ワイナリーの雇用が増えれば皆の生活も安定することでしょう」

「ラファエル子爵、あなたのような方に領主様としてあの城に入っていただければこの町も安心です」

「幸い管理人が畑の管理を続けてくれていたようですし、あまり時間を掛けずに大々的に復活できそうです」

「ラファエル子爵、あなたはお若いのに素晴らしい方だ
神のお恵みを」

フン…
神の恵み、か

「ところで、イヴのことですが」

「ああ、あの子の家も大変で、父親が亡くなってから、この村の祖母の元へ母親と二人で身を寄せているのですが
生活はなかなか大変なようです
私も何かと気に掛けてはいるのですが…」

「そうですか、それは可哀想に
それでは私が後ろ盾となって援助しましょう」