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第2章 ll

「ここにいるぞ」

「あら、ミカエル、丁度良かった…ラファエルがイヴを見つけたって」

「ああ、そのようだな」

いつの間に現れたのか、ロイヤルブルーのフロックコートに身を包み、長い栗毛をコートと同じ色のビロードリボンで後ろで一つに束ねた男が窓辺に立っている

「ウリエルも、もうすぐ現れるだろう」

「来たぞ」

いかにも人の良さそうな丸顔の大男が燃えるような真紅の衣に身を包み、いつの間にかニッコリ笑って暖炉に肘を着いている

「ウリエルも来てくれたのか、ありがとう」

「それで？何を愚図愚図しているのだ
お前らしくないぞ、ラファエル」

「そう言うなよウリエル、今回はいつもと違うんだ」

「違うって？何が？」

ウリエルがラファエルに投げかけた言葉を引き取ってミカエルが返答する

「随分、若いらしい…いや、まだ子どもか？」

「良かったじゃないか、それなら処女だろう？」

「ああ、間違いなく処女だろう」

「なら話しは早い、さっさとモノにしちまえよ、ラファエル」

「まだ子どもだぞ、ウリエル」

「そうだな、大人の女なら宝石やドレスで釣れば簡単なんだけどな」

「相手が子どもとなると、そうもいかないか…菓子で釣るか？それとも…」

「珍しいおもちゃ、とか？」



ウリエルとミカエルは当のラファエルを抜きにして、いつの間にか楽しそうに二人で相談し始めた