この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第5章 ♠RoundⅣ(踏み出した瞬間)♠
 紗英子は、きっぱりと言った。
「構わないわ」
 もう一度、正面から友の顔を見据える。
「そのときはそのときで、仕方ないと諦める。もちろん、途中で万が一のことがあっても、お礼はちゃんと支払うから」
「途中で流産や死産になったとしても、全額支払うと?」
「ええ、ちゃんと約束どおりのお金を渡すわよ」
 有喜菜が息を呑んだ。
「あなた―、本当にやる気なのね」
「当たり前でしょう。先刻も言ったじゃない。冗談でこんなことを言ったりはしないって」
「でも、直輝は―」
 言いかけた有喜菜の言葉を塞ぐように、紗英子は断じる。
「夫には、あなたの名前は言わないわ」
「―」
「クリニックで紹介して貰った、どこの誰かも判らない女性だと話すつもりよ」
 再び長い沈黙があった。
 その永遠とも思われる沈黙の時間を、今度もまた紗英子は辛抱強く待った。紗英子には判っている。既に有喜菜の気持ちも決まっているはずだ。今の沈黙の長さは彼女の迷いではなく、事態の複雑さを整理し、理解しているにすぎない。
/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ