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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第7章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
そう、彼を取り戻して何がいけないというのだろう?
有喜菜は清潔なタオルで顔を拭き、口許をぬぐった。再び自室に戻り、ベッドに座る。無造作に放り出されたメタリックピンクの携帯を取り上げ、ゆっくりと開いた。
ネットに繋いで検索をかけると、N企画の電話番号はすぐに見つかった。かなり大手の会社だから、様々な部署に分かれているものの、直輝が営業に所属していることは知っている。
―N企画営業部営業課 ○○○―△△△―×××
その番号を手慣れた様子で入力し、アドレス帳に記憶させる。
―ウシナッタカコヲトリモドシテ、ナニガワルイノ?
もう一人の自分の声が頭の中でリフレインしている。有喜菜はふいに疲労感を憶え、携帯を傍らに置き、そのままベッドに突っ伏した。身体がひどく疲れやすくなっている。これもやはり妊娠の兆候だろう。
有喜菜はやがて泥のような深い眠りの底に落ちていった。
有喜菜は清潔なタオルで顔を拭き、口許をぬぐった。再び自室に戻り、ベッドに座る。無造作に放り出されたメタリックピンクの携帯を取り上げ、ゆっくりと開いた。
ネットに繋いで検索をかけると、N企画の電話番号はすぐに見つかった。かなり大手の会社だから、様々な部署に分かれているものの、直輝が営業に所属していることは知っている。
―N企画営業部営業課 ○○○―△△△―×××
その番号を手慣れた様子で入力し、アドレス帳に記憶させる。
―ウシナッタカコヲトリモドシテ、ナニガワルイノ?
もう一人の自分の声が頭の中でリフレインしている。有喜菜はふいに疲労感を憶え、携帯を傍らに置き、そのままベッドに突っ伏した。身体がひどく疲れやすくなっている。これもやはり妊娠の兆候だろう。
有喜菜はやがて泥のような深い眠りの底に落ちていった。