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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦
直輝は社内でもかなりモテる方であった。別に自分で言っているわけではなく、どうやら同僚たちの噂では、そのようなことになっているらしい。自分のどこが良いのか判らないが、若い女子社員の中では〝社内で不倫してみたい、抱かれてみたい男〟のナンバーワンだとか。
それを聞いたときは、馬鹿らしいと思った。学生ではあるまいし、何を呑気なことを考えているのかと一笑に付したものだったが、時折、独身の女子社員から手紙やプレゼントが届いたり、時には呼び出されて告白されたりするのは迷惑も良いところだ。
小泉満奈美はその中でも特にしつこい女で、直輝が何度断っても、懲りずに秋波を送ってくる。一度は
―元彼にしつこくストーカーされてて、困ってるんです。
などと言い、相談に乗って欲しいと会社近くの居酒屋に呼び出された。が、実際に行ってみれば何のことはない、そんな話は根も葉もない真っ赤な嘘で、真実は満奈美が直輝の気を惹いて二人きりで逢うための口実にすぎなかった。
それを聞いたときは、馬鹿らしいと思った。学生ではあるまいし、何を呑気なことを考えているのかと一笑に付したものだったが、時折、独身の女子社員から手紙やプレゼントが届いたり、時には呼び出されて告白されたりするのは迷惑も良いところだ。
小泉満奈美はその中でも特にしつこい女で、直輝が何度断っても、懲りずに秋波を送ってくる。一度は
―元彼にしつこくストーカーされてて、困ってるんです。
などと言い、相談に乗って欲しいと会社近くの居酒屋に呼び出された。が、実際に行ってみれば何のことはない、そんな話は根も葉もない真っ赤な嘘で、真実は満奈美が直輝の気を惹いて二人きりで逢うための口実にすぎなかった。