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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦
直輝は入るなり、店内をざっと見回した。カウンターのスツールに女が一人座っている。昔、〝黒いドレスの女〟という映画を見た記憶があるが、まさにそのイメージどおりの女であった。
丈の長いロングドレスに身を包み、長い両脚を交差させている。ドレスは飾り気のないごくシンプルなデザインで、胸許は適度に空いてはいるが、けして胸が露わに見えるというほどではない。
全体的に見ればおとなしめのデザインのはずなのに、ハッとしてしまったのは、裾に大きなスリットが入り、隙間からほの暗い室内でも眩しいほど白い、すんなりとした美脚が覗いていたからだ。
後ろ姿しか見えないが、髪は艶やかに背中まで流れている。まるで今日の空を覆っているような見事な漆黒だ。
あんな良い女が、こんな店にいるなんて、こいつは滅多にお目にかかれないな。
と、マスターが聞けば気を悪くするに違いない科白を心で囁き、カウンターに近づいた。
丈の長いロングドレスに身を包み、長い両脚を交差させている。ドレスは飾り気のないごくシンプルなデザインで、胸許は適度に空いてはいるが、けして胸が露わに見えるというほどではない。
全体的に見ればおとなしめのデザインのはずなのに、ハッとしてしまったのは、裾に大きなスリットが入り、隙間からほの暗い室内でも眩しいほど白い、すんなりとした美脚が覗いていたからだ。
後ろ姿しか見えないが、髪は艶やかに背中まで流れている。まるで今日の空を覆っているような見事な漆黒だ。
あんな良い女が、こんな店にいるなんて、こいつは滅多にお目にかかれないな。
と、マスターが聞けば気を悪くするに違いない科白を心で囁き、カウンターに近づいた。