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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦
妖艶な外見には似合わないその邪気のない仕種は、まさに十三歳の有喜菜そのものであった。ぐっと烈しい感情が突き上げてきて、直輝は言った。
「有喜菜、俺はあの頃、君を」
「その話はもう止めて。今更、過ぎたことよ」
マスターが氷をグラスに入れる音だけが静けさの中に鋭く響き渡った。渡されたグラスごと、有喜菜は見事な飲みっぷりでカンパリソーダをひと息に煽った。
白い喉を仰け反らせるその姿に、直輝は身体の芯が熱くなる。有喜菜の豊満な肢体をベッドに組み敷けば、こんな風に白い喉をのけぞらせるのだろうか。その時、彼女はどんな声で啼くのだろうか。
直輝はハッと我に返った。
馬鹿な、有喜菜はガキの頃からの友達だぞ? その友達に対して、俺は何を考えてるんだ?
紗英子と結婚するまでは、他の女との拘わりが一切ないとは言えないが、結婚後は浮気は一度もしていない。ゆえに、直輝は自分がそれほど堪え性のない色情狂ではないと思っていたが、今夜、これほどまでに有喜菜に欲情してしまうのは、どうしたことなのだろう。
「有喜菜、俺はあの頃、君を」
「その話はもう止めて。今更、過ぎたことよ」
マスターが氷をグラスに入れる音だけが静けさの中に鋭く響き渡った。渡されたグラスごと、有喜菜は見事な飲みっぷりでカンパリソーダをひと息に煽った。
白い喉を仰け反らせるその姿に、直輝は身体の芯が熱くなる。有喜菜の豊満な肢体をベッドに組み敷けば、こんな風に白い喉をのけぞらせるのだろうか。その時、彼女はどんな声で啼くのだろうか。
直輝はハッと我に返った。
馬鹿な、有喜菜はガキの頃からの友達だぞ? その友達に対して、俺は何を考えてるんだ?
紗英子と結婚するまでは、他の女との拘わりが一切ないとは言えないが、結婚後は浮気は一度もしていない。ゆえに、直輝は自分がそれほど堪え性のない色情狂ではないと思っていたが、今夜、これほどまでに有喜菜に欲情してしまうのは、どうしたことなのだろう。