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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第9章 RoundⅧ(溺れる身体、心~罠~)♦
初めてホテルで結ばれてからというもの、二人は週に一度は身体を重ねた。大抵は嵐のようなひとときを過ごし、有喜菜は彼の腕の中で何度も花びらを散らした。
妊婦でありながら、男に抱かれて悦がり狂う自分が何故かとても淫らな堕落した女になったように思えた。しかし、好きな男に求められて、嬉しくないはずはない。
有喜菜のお腹が大きく膨らんでゆくにつれて、ホテルでの行為も自然と穏やかなものになり、直輝は直輝で有喜菜を思いきり抱いて感じさせたいという欲望と懸命に闘っているようにも見えた。
暑かった長い夏も終わり、秋がめぐってきた。澄んだ大気に色づいた山々がくっきりと立ち上がって見える季節になったのだ。
暦は十月に入り、有喜菜の子宮で育つ胎児は九ヶ月を迎えた。もうクリニックの担当医もここまで成長すれば、万が一に早産になっても十分に生育するだろうと太鼓判を押している。二週間に一度の妊婦検診でも、胎児には全く異常は見られなかった。
妊婦でありながら、男に抱かれて悦がり狂う自分が何故かとても淫らな堕落した女になったように思えた。しかし、好きな男に求められて、嬉しくないはずはない。
有喜菜のお腹が大きく膨らんでゆくにつれて、ホテルでの行為も自然と穏やかなものになり、直輝は直輝で有喜菜を思いきり抱いて感じさせたいという欲望と懸命に闘っているようにも見えた。
暑かった長い夏も終わり、秋がめぐってきた。澄んだ大気に色づいた山々がくっきりと立ち上がって見える季節になったのだ。
暦は十月に入り、有喜菜の子宮で育つ胎児は九ヶ月を迎えた。もうクリニックの担当医もここまで成長すれば、万が一に早産になっても十分に生育するだろうと太鼓判を押している。二週間に一度の妊婦検診でも、胎児には全く異常は見られなかった。