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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第3章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
 有喜菜とは何となく気まずいまま、紗英子はそれからまもく別れた。有喜菜はこれから職場に戻るという。
―病気の友達の見舞いに行くからって、昼休みを特別に延長して貰ったのよ。
 勤務時間内に逢えたことについてそう言い訳した。だが、それほど時間の融通がきくくらいなら、何故、入院している最中に直接、病院に来なかったのか?
 有喜菜の職場も同じN市内にあり、紗英子の入っていたクリニックからはそう遠くない距離なのだ。わざわざ丸一日の休みを取らなくても、今日のように少し昼休みを延長して貰っただけで来られただろうに。
 そこで、紗英子は首を振った。どうも今日の自分は長年の親友を悪い眼で見ようとばかりしている。女性にとって子宮を取るというのは大変なことだ。既に子どもを生み終えた年老いた女性ならともかく、子どものいない妊娠を希望する女にとっては、一大事なのだ。
 その一大事を迎えたばかりの紗英子にどうやって逢えばよいのか、当然、哀しみに打ちひしがれているに違いないであろう友に何と言葉をかけたら良いか判らない。それは有喜菜にしてみれば、当然の心境であったに違いない。有喜菜は有喜菜で見舞いに来たくても来れられなくて遠慮していただけだろう。
 退院して少し日を置いた今ならば、子宮を失った直後よりは少しはショックからも立ち直っている。そう思って、有喜菜の方からわざわざ電話してきてくれたのだ。
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