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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第3章 ♠RoundⅡ(哀しみという名の現実)♠
何で、私には、あんなごく当たり前の幸せが与えられなかったのかな。
つくづく自分の運命を恨めしく思わずにはいられなかった。
自分が一体、何をしたというのだろう。何の悪いことをしたからといって、こんな辛い想いをしなければならないのだろうか。
思わず涙が込み上げてきて、紗英子は慌てて涙を堪えた。あんな仕打ちをされた上に、人前で泣くなんて、あまりに惨めすぎる。
それから、自分がどうやってマンションまで帰り着いたのか。実のところ、紗英子はよく憶えていない。それほど、拓也の母親から受けたとりつく島もない仕打ちに衝撃を受けていたのかもしれない。
気がつけば、リビングの壁に背を凭せかけ、ぼんやりと暗がりに蹲っていた。
何時頃に戻ってきて、今がいつなのかも判らない。ふいに頭上が煌々と輝き、眩しい光が紗英子の顔を照らした。
紗英子は両手で顔を覆い、眩しい光をよけながら立ち上がろうとする。しかし、長い間、同じ姿勢で座り込んでいたため、思わずよろめいてしまった。目眩もわずかにあった。
「大丈夫か?」
直輝が咄嗟に抱き止めてくれなければ、そのまま転倒していただろう。
つくづく自分の運命を恨めしく思わずにはいられなかった。
自分が一体、何をしたというのだろう。何の悪いことをしたからといって、こんな辛い想いをしなければならないのだろうか。
思わず涙が込み上げてきて、紗英子は慌てて涙を堪えた。あんな仕打ちをされた上に、人前で泣くなんて、あまりに惨めすぎる。
それから、自分がどうやってマンションまで帰り着いたのか。実のところ、紗英子はよく憶えていない。それほど、拓也の母親から受けたとりつく島もない仕打ちに衝撃を受けていたのかもしれない。
気がつけば、リビングの壁に背を凭せかけ、ぼんやりと暗がりに蹲っていた。
何時頃に戻ってきて、今がいつなのかも判らない。ふいに頭上が煌々と輝き、眩しい光が紗英子の顔を照らした。
紗英子は両手で顔を覆い、眩しい光をよけながら立ち上がろうとする。しかし、長い間、同じ姿勢で座り込んでいたため、思わずよろめいてしまった。目眩もわずかにあった。
「大丈夫か?」
直輝が咄嗟に抱き止めてくれなければ、そのまま転倒していただろう。