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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第4章 ♠ RoundⅢ(淫夢)♠ 
 グリーンの包装紙に〝For You〟とプリントされたゴールドのシールが貼ってある。
「紗英子がプレゼントくれるなんて、思ってもみなかったな」
 直輝は満更でもないらしく、包装紙を解きながら表情を緩ませている。そんな屈託ない彼の笑顔を見るのは久しぶりのような気がして、紗英子も嬉しくなった。 
 縦長の箱がまず現れ、蓋を開くと、更に紺のベルベットの箱が入っている。直輝は待ちかねたように、ベルベッドの箱を開けた。
「おー、これは凄い」
 こんな風に歓ぶ彼を見ていると、付き合い始めた十四歳の頃を思い出す。学生服姿の直輝とセーラー服の紗英子はいつも二人一緒だった。あまりに始終くっついているので、何度か当時の担任や生徒指導の先生から呼ばれて、二人の関係について訊ねられたことさえあるほどだ。
 訊ねにくいことだけれどと前置きして訊かれたのは、当然ながら、二人がプラトニックな関係にとどまっているのかどうかという点においてであった。
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