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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第4章 ♠ RoundⅢ(淫夢)♠
身体が情事の後の特有のけだるさに包まれていた。紗英子はゆっくりと瞼を開き、首を回して傍らを見た。すぐ側で直輝が安らいだ寝顔を見せていた。二人きりの寝室に、直輝の規則正しい寝息だけが聞こえていた。
枕許の置き時計を見ると、針は午前四時を少し回ったところだ。イブのパーティを始めたのは確かまだ日付が変わる前、九時過ぎだったから、少なくとも三、四時間は眠ったのだろう。
暗い室内はまだ暖房の余熱が残っていた。タイマー設定をしていたので、途中で切れてしまったらしい。紗英子はそろりとベッドに身を起こし、用心しながら降りてヒーターをつけにいった。
直輝に抱かれた―しかもこんなに烈しく抱かれたのはもう数年ぶりのことだ。いや、不妊治療を始めてからは、極めて儀礼的なセックスしかしなかったから、数年ぶりどころではないかもしれない。
とはいえ、別に初夜―処女を失ったわけではないから、身体がきついということはない。それでも、久しぶりに男を受け容れた身体はやはり、下半身に鈍い痛みはかすかだけれど残っていた。
が、身体はだるくても、心は妙に弾んでいる。我ながら現金なものだと紗英子は思う。
それでも、頬がひとりでにしまりなく緩んでしまうのは、やはり、満たされた妻の余裕というものだろうか。
枕許の置き時計を見ると、針は午前四時を少し回ったところだ。イブのパーティを始めたのは確かまだ日付が変わる前、九時過ぎだったから、少なくとも三、四時間は眠ったのだろう。
暗い室内はまだ暖房の余熱が残っていた。タイマー設定をしていたので、途中で切れてしまったらしい。紗英子はそろりとベッドに身を起こし、用心しながら降りてヒーターをつけにいった。
直輝に抱かれた―しかもこんなに烈しく抱かれたのはもう数年ぶりのことだ。いや、不妊治療を始めてからは、極めて儀礼的なセックスしかしなかったから、数年ぶりどころではないかもしれない。
とはいえ、別に初夜―処女を失ったわけではないから、身体がきついということはない。それでも、久しぶりに男を受け容れた身体はやはり、下半身に鈍い痛みはかすかだけれど残っていた。
が、身体はだるくても、心は妙に弾んでいる。我ながら現金なものだと紗英子は思う。
それでも、頬がひとりでにしまりなく緩んでしまうのは、やはり、満たされた妻の余裕というものだろうか。