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スケベ爺ゼウスの女の尻を追いかける旅
第3章 二番目の妻テミス
ゼウスは『あるキッカケ』で人間たちに大洪水を起こして彼らを滅ぼす計画を立てた。


こうしてほとんどすべての人間は滅ぼされたが、プロメーテウスの息子デウカリオーンとその妻ピュラーは、大洪水の起こることをあらかじめに父プロメーテウスより教えられていたので、箱船を造り洪水の難を逃れた。



人間が滅び、一組の正しい男女だけが生き延びたことを知ったゼウスは、大洪水を終焉させる。


二人が乗った箱船は、九日九夜、水の上を彷徨った後、パルナッソスの二つの高峰近くに止まった。


天候の回復を知ったデウカリオーンは船より降り、ゼウスに犠牲を献げ、デルポイに託宣所を持っていたテミス女神にも感謝の祈りを捧げた。


二人は人間がすべて滅び消えたことを知り、テミス女神に祈って、『人間の種族を再び回復させる方法』を尋ねた。


するとテミスは二人にこう告げた



「おまえたちの顔を布で包み、母親の骨を後ろに投げるがよい」



ピュラーはこの言葉に対し、そんな親不孝なことは出来ないと嘆いた。


しかし、デウカリオーンは「母親」とは大地母神のことで「骨」とは河岸の石のことだと解釈し、二人は石を拾って背後に投げた。



デウカリオーンが投げた石から人間の男が誕生し、ピュラーが投げた石からは人間の女が誕生した。



こうして再び地上には人間があふれるようになった。



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