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スケベ爺ゼウスの女の尻を追いかける旅
第7章 レートー

ピュートーンは猛り狂ってしつこく追いかけてきます。
カッと開かれた口から吐き出される息がもうすぐ背にかかりそうです。
「誰かぁ!!誰か助けてっっ!」
とそのとき、一陣の強風が吹きつけて、ピュートーンの毒息の及ばない上空へ女神の身体をすくい上げました。
何事かと驚く暇もあらばこそ、風はレートーを乗せたままぐんぐんとスピードを上げ、瞬く間に陸地を越えて海の上に出ていきました。
突然現れたこの思いがけない救い主は北風の神ボレアースでした。
天上からピュートーンに襲われるレートーの姿を見ていたゼウスが
「レートーを助けてやれ」
と命じたのです。
女神を抱いてエーゲ海に向かった風神は、紺碧の波間に向かって大音声で呼びかけました。
「ポセイドーン様!!レートー女神をお連れいたしましたぞ!ヘーラー様にえらく憎まれておいでの方だが、何とか保護して差し上げてほしいとゼウス様よりご伝言です!」
すると、それを聞きつけた海王がするすると海底から浮かび上がってきました。
長きに渡る放浪でボロボロになったレートーを気の毒そうに見つめると、ボレアースに力強く頷いてみせます。
「うむ、ご苦労であった。しかし保護するといっても、そのへんの島に上陸させるのはまずかろうな。ヘーラーの命令を踏みにじることなく助けるにはどうすればよいものかな?……おおっ、そうだ、妙案がある!ちょっとそのまま待っておれ!」
そう言うとポセイドーンは海中に手を突っ込んでじゃぶじゃぶと引っかき回し、おもむろに小さな岩島を水面近くまで引っ張り上げてきました。
カッと開かれた口から吐き出される息がもうすぐ背にかかりそうです。
「誰かぁ!!誰か助けてっっ!」
とそのとき、一陣の強風が吹きつけて、ピュートーンの毒息の及ばない上空へ女神の身体をすくい上げました。
何事かと驚く暇もあらばこそ、風はレートーを乗せたままぐんぐんとスピードを上げ、瞬く間に陸地を越えて海の上に出ていきました。
突然現れたこの思いがけない救い主は北風の神ボレアースでした。
天上からピュートーンに襲われるレートーの姿を見ていたゼウスが
「レートーを助けてやれ」
と命じたのです。
女神を抱いてエーゲ海に向かった風神は、紺碧の波間に向かって大音声で呼びかけました。
「ポセイドーン様!!レートー女神をお連れいたしましたぞ!ヘーラー様にえらく憎まれておいでの方だが、何とか保護して差し上げてほしいとゼウス様よりご伝言です!」
すると、それを聞きつけた海王がするすると海底から浮かび上がってきました。
長きに渡る放浪でボロボロになったレートーを気の毒そうに見つめると、ボレアースに力強く頷いてみせます。
「うむ、ご苦労であった。しかし保護するといっても、そのへんの島に上陸させるのはまずかろうな。ヘーラーの命令を踏みにじることなく助けるにはどうすればよいものかな?……おおっ、そうだ、妙案がある!ちょっとそのまま待っておれ!」
そう言うとポセイドーンは海中に手を突っ込んでじゃぶじゃぶと引っかき回し、おもむろに小さな岩島を水面近くまで引っ張り上げてきました。

