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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
サインをするのは気持ちが良い。
人間の世界にいるという感じがする。
ゲートで記入した「月神太陽」という入場のサインも、ぐいぐいと力を込めたせいで心なしか大きめになってしまった。
ヴァギナス機関を訪れるのは10日ぶりぐらいだろうか。
どうも時間の感覚が鈍っている。
地上で侵略者たちの襲撃から逃げ惑っていた1年半の歳月がそうさせるのだろう。
深海に作られた人類最後の砦。
この潜水都市に生きる人たちは皆、同じ境遇だ。
救出された時期に早い遅いはあるけれど、この海底都市を守っているヴァギナス機関によって九死に一生を得た人ばかり。
そしてここには、忘れかけていた人間らしい生活があった。
人間の世界にいるという感じがする。
ゲートで記入した「月神太陽」という入場のサインも、ぐいぐいと力を込めたせいで心なしか大きめになってしまった。
ヴァギナス機関を訪れるのは10日ぶりぐらいだろうか。
どうも時間の感覚が鈍っている。
地上で侵略者たちの襲撃から逃げ惑っていた1年半の歳月がそうさせるのだろう。
深海に作られた人類最後の砦。
この潜水都市に生きる人たちは皆、同じ境遇だ。
救出された時期に早い遅いはあるけれど、この海底都市を守っているヴァギナス機関によって九死に一生を得た人ばかり。
そしてここには、忘れかけていた人間らしい生活があった。