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真夜中の贈り物
第8章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 前編
 リンデーン王国の最高峰、「天空の稜」と呼ばれるロンブロン山脈は純白の雪肌と蒼天の接する地だ。

 一面の銀世界、そして……

「ふぇくしっ! ……うぃぷるるるる」

 ……くしゃみ。

 くっきりとした青と白境界に、豆粒のような二人の人影があった。

「ううっ……寒っ! お天道様が近くにあるはずなのになんでこんなに寒いんだよ! 理屈に合わねえーんじゃねーのか!」

 毒づいたのはさきほどのくしゃみの主、赤い短髪の女剣士だ。

 腕で体を抱え込むようにしてガタガタ震えているが無理もない。
 彼女の小麦色の肌を覆うのは薄い革製のビキニアーマー。

 覆っているのはその形良い乳房と、すらりと伸びた足の付け根のみ。それも、乳房はかろうじて乳首が隠れるほど、腰回りにいたっては尻の谷間などは完全に曝け出してしまっているほどの極小サイズなのである。

 しなやかな茶褐色の背。鍛えられ、一筋に割れた腹筋にくぽむヘソ、すべてが無防備に雪山の冷気にさらされていた。
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