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真夜中の贈り物
第8章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 前編
「……理屈に合わないのは貴女の頭よ、キオ」
至極もっともな見解を述べたのは、長い杖を手にしたローブ姿の女魔導士だった。
「登る前に、せっかく私が火の精の加護を付呪してあげるって言ったのに断るから」
「んなこと言ったってよぉ、エヌフィーヌ!」
キオと呼ばれた女剣士が応える。
だが、最後の方は尻すぼみにごにょごにょとした呟き声となってしまった。
「……面倒臭かったんだもんよ」
その判断を後悔しているのはバツの悪そうな顔にありありと書いてあった。
それを見てエヌフィーヌが優雅にため息を吐く。
「まったく……雪山にそんな軽装だなんて自殺行為ですわよ」
「だったら、止めろよ!」
「止めましたでしょ! なのに貴女ときたら聞く耳持たないんですから!」
「だいたいお前だってなんだよ、いつものローブ一枚じゃねえか!」
「私のはコーガシャ産の魔法の絹糸で織ったローブですの。常に中を暖かい空気で満たしてくれますのよ」
「は? マジかよ、ちょっと中、入れさせろ……」
「きゃっ……なにをなさいますの!? ちょっ……アッ……いやんっ!」
至極もっともな見解を述べたのは、長い杖を手にしたローブ姿の女魔導士だった。
「登る前に、せっかく私が火の精の加護を付呪してあげるって言ったのに断るから」
「んなこと言ったってよぉ、エヌフィーヌ!」
キオと呼ばれた女剣士が応える。
だが、最後の方は尻すぼみにごにょごにょとした呟き声となってしまった。
「……面倒臭かったんだもんよ」
その判断を後悔しているのはバツの悪そうな顔にありありと書いてあった。
それを見てエヌフィーヌが優雅にため息を吐く。
「まったく……雪山にそんな軽装だなんて自殺行為ですわよ」
「だったら、止めろよ!」
「止めましたでしょ! なのに貴女ときたら聞く耳持たないんですから!」
「だいたいお前だってなんだよ、いつものローブ一枚じゃねえか!」
「私のはコーガシャ産の魔法の絹糸で織ったローブですの。常に中を暖かい空気で満たしてくれますのよ」
「は? マジかよ、ちょっと中、入れさせろ……」
「きゃっ……なにをなさいますの!? ちょっ……アッ……いやんっ!」