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真夜中の贈り物
第11章 マタニティー・リターナー
「咲良……愛してるぜ。伝わるかな……兄貴が妬くくらい……お腹の子が妬くくらい……俺の想い……伝わってるかな……」
「ああっ……来るっ……来ますわっ! 伝わって来ています! キョージさんの心……あ、愛して下さっているのが……おっ……うっ……さ、咲良の中に……中に……ああ~っ!」
子供が出来た。
そのことがわかったとき、脱出しようと言ってくれたのはキョージだった。
快楽の虜に、性の奴隷となっていた咲良の正気を取り戻させてくれたのは彼だった。
そして、キョーイチの手引きで氷堂学園からの逃走を図り……。
それが半年前の事。
逃亡劇は一筋縄ではいかなかった。
捕えられているチームメイト達も救おうと、新たな協力者を求め、そして友情と裏切り……計画の発覚。
最後になんとか咲良だけが逃げ延びることができたのは、キャプテンの雪希が犠牲となって庇ってくれたからだった。
――咲良、逃げて……一人だけでも! 私の事はいいから……私は、私はっ……アアッ! ンアアアアーッ!
別れ際の雪希の絶叫。
鬼岳に捕まり、懲罰の責めに究極の性感を受けて堕ちていった雪希……。