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真夜中の贈り物
第13章 童貞コロシアム
対する副会長の冬馬も女生徒からの人気では勝るとも劣らぬものがあった。一年生ながら副会長を張っているのは、ただ単に冬馬が理事長の孫だからというだけではない。彼は七光りをひけらかしたり利用するような性格ではなかった。
一重にやはりルックス――陽太郎とはまたタイプの違う、クールな……陰陽で言えば陰の雰囲気の、ではあったが――と、そしてアイスホッケー部のエースにして主将という能力・実績から来る人気であろう。
もし陽太郎が存在しなければ、間違いなく一年生にして生徒会長となっていたであろうし、その場合、陽太郎ですら為し得なかった生徒会長にして成績トップ、運動部キャプテンという怖ろしいスーパー優等生になっていたはずだ。
そして、それは陽太郎が卒業する来年度には現実となると、確実視されていた。
そんな学園ツートップ男子の二人は互いをライバル視することもなく、仲良く生徒会の業務をこなしているわけであったが、本当の所はどうなのか。