この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
真夜中の贈り物
第15章 薔薇のひとつ

 女に兵隊など務まるわけがない。初めは誰にもそう言われた。しかし、彼女はそんな言葉に反論する代わりに、実直に軍務に励んだ。

 男を基準とした隊規にも文句を言わず、他の兵士たちと同じように過ごし、同じ仕事をした。実績に勝る雄弁はないのである。

 年頃の若い娘が男たちの集団の中で行動を共にするのである、性的ないやがらせや貞操の危機もあった。

 しかしそれでも彼女はその度に気転と度胸、そして時には毅然たる態度を示すことでそれらを切り抜け、やがて二十歳を過ぎる頃には少しずつだが、彼女を認め、理解し、支えてくれる仲間が周りに出来ていった。

「そなたが隊長として、これからもいっそう……神と王都への篤い忠義を示さんことを」

 そう言って、枢機卿は差し出されたノヴァリスの中指に指輪をはめる。それは近衛隊の隊長に与えられる栄誉の印でもあった。

「……はい。命に替えましても」

 ノヴァリスは自分の指につけられた隊長の証に目を落した。
/376ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ