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真夜中の贈り物
第15章 薔薇のひとつ

「へっ……可愛らしい女の悲鳴も上げられるんじゃねえか」

 アサージが得意な顔でうそぶく。
 その狼藉に、転がされていた他の近衛兵たちが色めき立つ。

「アサージ、貴様っ! 隊長に何をする!」
「やめろ、この裏切り者!」

 ある者は立ち上がり、助けに入ろうとするが、武器を構えた野盗たちが素早く割って入って威嚇し、それを許さない。

「ヘヘッ……黙って見てろよ。お前らだって本当は隊長をひん剥いてみたかったんだろ? 代わりに俺がやってやんだからよ、感謝して貰いたいぜ」

 逃れようとあとずさり、背後にいた野盗にぶつかってアサージのほうに突き出されたノヴァリスに下卑た顔を近づける。

「ヒヘヘェ……続きといこうぜ、隊長さんよォ……」

「なっ……何をするつもりっ……!」

「鍵探しだよ! 本当に持っていないかどうか、すっぽんぽんにひん剥いて確かめてやるのさ! それしかねーだろうが!」

「なっ……! は、恥を知りなさい……やっ、止めっ……うっ……ああっ!」
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