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真夜中の贈り物
第15章 薔薇のひとつ
理性が欲望に負け、ついに禁断の服従を宣言しそうになったそのとき、突然アサージの腹から、勢いよくサーブルの刃が飛び出した。
ギョッとして見上げると、アサージもまた目を丸く見開いていた。
刃がすうっと後ろへと引いていく。
ぶしゅううううううっ!
激しく血が吹き出して、ノヴァリスの全身に浴びせかかった。
「なあっ……ひぇふ」
息が抜けるような間の抜けた断末魔を漏らしてアサージが倒れる。
その背後にはサーブルを手にフェリックスが立っていた。
「……俺は鍵を探せと言ったのだ、馬鹿が」
遅れて、ノヴァリスのかん高い悲鳴上がった。