この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真夜中の贈り物
第15章 薔薇のひとつ
いきなり、がきっと太い腕に抱きすくめられ、その汗ばんだ筋肉の緊縛の中で、ノヴァリスは膣内の男の脈動を感じ、子宮の中に熱い子種が注がれるのを察知した。
浸み込む熱の飛沫が自分を犯す。
言葉通り、ひとつに溶け合うふたつの生命。
びゅぐっ……びゅぐぐっ……ぎゅるるるるるるっ!
絞るようなそれは、いかなる動力によるものか。そしてどちらの肉の震えなのか。
腹の底から込み上げる悦びが指で味合された以上の、果ての先の果てへと彼女を飛翔させる。
「うあ、あああっ……フェリックス……ああっ……私……私っ……ああっ……イクッ……! んはああああっ……いくぅうぅぅううぅぅぅぅぅぅぅぅっ……イッちゃうううううううううっ!」
がくがくと踊るノヴァリスの身体を、天に昇さらせはせぬとでもいうかのように、全身で強く抱き締め、繋ぎ止めてくれるフェリックス。
それは囚われの身でありながら、彼女を不思議な安心感に包ませた。
余韻もにまどろむ余裕も与えぬほど絶頂に、ガクリと意識を飛ばした彼女の身体を受け止め、優し寝台の上に横たえた後、フェリックスは呟いた。
「許せとは言わぬ……だが、俺は……誰かに伝えておきたかったのかもしれない」
目を閉じた彼女の頬にそっと口づけをして、その指先から紋章の入った指輪を抜き取ると、彼は衣服を整え部屋を立ち去った。
それが鍵であることには、気づいていたのだ。