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真夜中の贈り物
第2章 教官は世界の果ての 前篇
 放たれた精が、高く高く舞い上がり、恍惚としたハルカの顔に降りそそぐ。

「ん……」

 目を閉じたまま顔面で受け止めたそれを指で拭うハルカ。
 俺は手伝えないかと思ったが、フィンガーロックで固定されていて身動きがとれない。

「ごめん……」

 拭き取るのを手伝えないことにか、それとも耐えきれずに達してしまったことにか、それとも……

 理由もよくわからないまま呟かれた俺の謝罪の言葉に、ハルカは笑った。

「がんばったわね……」

 ペロリと舌を出して、口の端についてザーメンを舐め取る。

「あの……恋人がいるって」

「ウフフ、気にしないで」

「……ホントなんですか?」

「ふふっ……」

 問いには答えず、ハルカはすぐそばのコントロールパネルを操作してフィンガーロックを解除してくれた。

「はい、これ」

 ティッシュを渡される。

「自分で拭いて……それとも、拭いて欲しい?」

 悪戯っぽく輝くのは、あのあどけない印象の瞳。
 とても、さっきまでのハルカからは想像が出来ない屈託のない笑顔。
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