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真夜中の贈り物
第16章 ボイストレーニング
(私ったら……何考えているの!?)
自分を叱りつける。
しかし、事実なのだ。眼を閉じたことでいっそうそれしか感じ取れなくなってしまっていた。胸に、そして下腹に柔らかい所を包み込み、慰撫するように撫でる指。それだけでなく、呼気の、吸気の、それぞれの途切れざまに合わせ、強く、ハッとするような刺激を与えてくる。
「んぐっ……はっ……あ、ああぅっ」
弱弱しい喘ぎ声と共に、亜優の身体はビクンビクンと悶え震えた。
「声量というのはつまり、大きな声を安定した状態で長く出し続けることができるかどうか……」
鏡花の声。まるで催眠術師のような、静かな抑揚。
「肺活量があるというだけでは、必ずしも声量があるとはいえない……ひとつのセリフの中で、どれだけ、どうやって、息を使い、使い切るかを計算することができなくてはいけないんだ……」
その手がだんだんと禁断のゾーンに近づいていく。だが、亜優にはもう抵抗する気も失せてしまっていた。
自分を叱りつける。
しかし、事実なのだ。眼を閉じたことでいっそうそれしか感じ取れなくなってしまっていた。胸に、そして下腹に柔らかい所を包み込み、慰撫するように撫でる指。それだけでなく、呼気の、吸気の、それぞれの途切れざまに合わせ、強く、ハッとするような刺激を与えてくる。
「んぐっ……はっ……あ、ああぅっ」
弱弱しい喘ぎ声と共に、亜優の身体はビクンビクンと悶え震えた。
「声量というのはつまり、大きな声を安定した状態で長く出し続けることができるかどうか……」
鏡花の声。まるで催眠術師のような、静かな抑揚。
「肺活量があるというだけでは、必ずしも声量があるとはいえない……ひとつのセリフの中で、どれだけ、どうやって、息を使い、使い切るかを計算することができなくてはいけないんだ……」
その手がだんだんと禁断のゾーンに近づいていく。だが、亜優にはもう抵抗する気も失せてしまっていた。