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真夜中の贈り物
第3章 教官は世界の果ての 後篇
 その動きがヴァギナスの機体にも伝わり、ゴリラから身をかわすことになったのだ。

「だっ……出すなっ!」

 声に出して己を叱咤し、射精を堪える。
 もう、すぐそこまで来ている。ダメだ……今、出しちゃダメだ……。

 必死で……俺は必死だった。
 食い止めろ。なんとしてでも! 何を? 精液を?
 違う! 敵だ! 目の前のコイツをだ!

 俺たちから全てを奪った侵略者たちを!

 誓っただろう。ハルカの涙に。

 守るんだって。違うのか俺!
 違うのか月神太陽!

「ぐっ……う、うお……うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 俺は吠えていた。
 一匹の獣だ。

 悦楽に堕ちるそのフリーフォールにも似た無間のエネルギーを闘争心へと逆上させる。
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