この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Memory of Night
第6章 再会
そんなもの見つけなくていいし、見つけられても逆に困る。
やり取りを繰り返しているうちに晃との別れ道にさしかかった。
「じゃあ、三十一日俺の家に着て? そうだなぁ……時間は十時頃で」
晃は片手を軽く振った。別れ道を歩き始める。
「待てよ! 俺は着るなんて一言も……!」
勝手に自己完結して帰ろうとする晃に、宵が呼びかける。
「大丈夫だよ。宵なら絶対似合うから!」
似合うとか似合わないとかの問題ではない。
振り向き様にウインクをして、自信満々にガッツポーズをかます晃を、宵は唖然と見送るしかなかった。
晃の背中が見えなくなり、ついつぶやいてしまう。
「……やっぱ、あいつって変態」
もうそれは、この世の定義として覚えていてもいいかもしれない。
宵も、自分の家に向かって歩き出す。
晃のせいでたかぶりかけた体は、まだ熱くて、そう簡単に熱は引きそうになかった。
おまけにあの憎たらしい笑顔まで思い出してしまって、よけいに変な気分になる。