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Memory of Night
第6章 再会

「……それ以上には、なりたくない」

 自然と、意識することなくそうつぶやいていた。
 ただ、晃はいつも微妙で曖昧な距離にいる気がする。
 ただの独占欲から人の体を求めるくせに、いつの間にか、宵の一番触れられたくない部分に踏みこんでいたりするし。
 飽きて手放したくせに、キスを仕掛けてきたり、祭に誘ってきたりする。
 知らぬうちに晃のペースに巻き込まれ、ついのせられてしま自分も嫌だった。

「なんなんだよ……アイツは」

 知らぬうちにそうつぶやいていた。
 今さらだけど、祭に行くなんて約束しなければよかったかもしれない。
 日が沈み、風が強くなったせいか熱かった体がいっきに冷えた気がして、宵は自分の体を両手で軽く抱きしめた。
 三十一日のことを思い、なんとなく憂鬱な気分で家路を急いだ。
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