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Memory of Night
第6章 再会
「くそ……っ! あんの野郎むかつくぜ!!」
入り組んだ裏通りの片隅、建物と建物の隙間にできた小さな小道で、金髪の男は怒鳴った。同時に、近くにあった青いゴミ箱を思いきり蹴り飛ばした。
派手な音を立てて、ゴミ箱の中のろくに分別もされず詰め込まれた紙だの生ゴミだのがぶちまかれる。
周りにいた数人の不良仲間は金髪男の剣幕に、ビクッとすくみ上がった。
蹴った反動で、先ほど蹴られた腹の傷が、微かにうずいた。
わずかに間を空けて、金髪の隣でしゃがみこんでいた小柄な少年が声をかけた。
「……随分ご立腹だねーおまえ。大河ってヤツだっけ? 何やられたんだ?」
「……腹蹴られた」
「だっせー。下だろ、そいつ」
「うるせーっ!」
ヤジを飛ばす仲間の一人を一喝し、ふんっと鼻を鳴らす。
金髪は怒りを堪えるように唇を噛み、腕を組んだ。ほんの三十分程前の出来事を思い出す。
確かに膝蹴りをくらわされたことにも腹は立っているが、その前に見せた余裕ありげな笑みの方が金髪男には腹立たしく思えた。