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Memory of Night
第7章 夏祭
晃はそんな宵の首筋を見つめた。そこには、ゆかたに着替えた後につけたキスマークがくっきりと残っていた。
今日一日宵は俺のもの。
その印につけたこのマークだって、何日かすれば消えてしまうのだ。
晃の言葉に、宵はまだ納得が言っていなさそうな顔をしている。
「んー、それじゃおまけで」
晃は宵の腕を取り、その腕に自分の腕を絡ませた。
ギョッとする宵に、抵抗する暇を与えずに言う。
「腕組んで歩こう!」
「は!? なんだそれ……!」
嫌がる姿をからかうように、肩を抱き寄せ額にちゅっと口付ける。
人で溢れる通りのど真ん中で平気でそういう行為ができる晃の神経が、宵にはさっぱり理解できないのだった。
晃から飛びのくように体を離し、非難しようと口を開きかけた時だった。
「キャー! 晃センパァイ!!」
耳をつんざくような甲高い女の子の声が聞こえ、二人は同時に顔をあげた。
そうして晃が顔を強張らせる。
すぐ目の前には、明らかに見覚えのある女生徒が二人、瞳を輝かせて立っていた。