この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night
第9章 予感

 真顔のまま、しれっとそんなことを言う晃に宵はがくっと肩を落とした。

「……本っ当に見境ねーなぁ。病人でもおかまいなしかよ」
「冗談だよ」

 晃が笑う。久々の笑顔に、つかの間目が離せなかった。

「保健の先生ならセミナー室にいるよ」
「セミナー室?」

 それは先ほどコーヒーを買いに行った時に、晃と後輩らしき女子生徒のやりとりが聞こえてきた教室だった。

「今日の放課後保健委員会が開かれるんだよ。その準備。おかげで授業免除だよ」
「保健委員なのか、おまえ」

 初めて知った。てっきり生徒会でもやっているのかと思っていたが、考えて見れば晃の夢は医者なのだから、別に不思議なことじゃない。
 腕に抱えているのはその資料らしい。
 晃は宵に背を向けた。

「俺が先生呼んでくるから、宵は明ちゃんの側にいてあげな」
「あ、おい……」

 呼び止めようと身を乗り出せば、明の頭がわずかに動いた。
 思わず舌打ちしてしまう。
 明を支えている体勢では下手に動けないし、晃の背中はすでにドアの向こうにあった。
 呼んできてくれると言うのなら、待っているしかない。
/346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ