この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night
第9章 予感

 ずっとこの体勢はしんどいので、宵は明の頭をそっと持ち上げ腕を引き抜いた。
 起こさないように慎重に。
 代わりに枕を敷いた。頬にも唇にもだいぶ赤みが戻っているので、多少頭を上げても大丈夫だろう。
 辺りは静まりかえっていて、雨の音がやけに大きく聞こえる。もしかしたら、雨足が強まったのかもしれない。
 一定に響くざーっという音が、不快なほど耳障りに思えた。
 わずかに眉根を寄せて苦しそうに眠る明の寝顔を見ていると、ふいにそれが志穂の寝顔にすり変わった。たった一瞬、だけ。
 酷く、胸騒ぎがした。
 強烈な、目眩を伴うような嫌な感覚に、宵は無意識のうちに片腕を持ち上げ額に触れようとした。
 その時だった。
 慌ただしい足音と共に勢いよくドアが開き、はっとして振り返る。
 そこにいたのは、晃達ではなかった。

「……先生」

 ドアの向こう、担任の倉木が息を切らして立っていた。

「宵くん……っ、ここにいたのね……!」
「……どうしたの?」

 一瞬、勝手に教室を抜け出したことを怒られるのかと思ったが、倉木の慌て方は明らかにおかしかった。
 ……嫌な予感がする。
/346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ