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Memory of Night
第13章 吉報
ギャグというよりもこれじゃただの嫌がらせだ。
「いらねー……。てか食えるわけねーだろこんなに! 全部持って帰れ!」
当たる相手が違うだろうと思いつつも、つい目の前で呑気な笑みを浮かべている明を怒鳴りつけてしまう。
「まあまあ。そうカリカリせずに」
なだめるように言いながら、明はスカートのポケットに手を突っ込んだ。
そこから取り出したものは、小さな袋に入った煮干しとアーモンド。子供のおやつとかによく出てきそうなお菓子だった。
「これはあたしから。ずっと病院にいたんじゃストレスも溜まるでしょ? これ食べていっぱいカルシウム採って、早く元気になってね」
明はにっこりと微笑んだ。
「……ありがと」
一応礼を言って、差し出されるままに受け取ってはみたものの。
(煮干しって……)
明のセンスもよくわからない。
「冷蔵庫借りるねー」
一部屋に一台ずつついている小型の冷蔵庫。
明はその扉を開けて、紙袋から取り出したお菓子や果物を手早く冷蔵庫の中に収納し始める。
「いらねーって! 勝手に入れんな」