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Memory of Night
第15章 告白

「堪能すんのは勝手だけどさ。もう少し時間帯を考えろ」

 宵は上空を見上げた。雲はぽつぽつとまばらに浮かんでいる程度で、ほとんど見当たらない晴天。確かに散歩日和かもしれない。
 冬の空は済んでいて、ただどこまでも青かった。抜けるようなその景色は綺麗だと思うけれど、宵が突っ込みたいのはそこではない。
 太陽の位置だ。光のやや弱まった冬の太陽はまだ完全に登りきっておらず、遥か東の方にあった。
 神社の敷地内に建ててある柱時計も、余裕で十時前をさしている。

「……朝っぱらから呼び出しやがって」

 朝っぱらというより、早朝に近い。
 今日の朝、七時頃に晃はなんの連絡もなしに突然家に押しかけてきたのだ。
 チャイムの音でたたき起こされ、思いきり寝起きで玄関に立つ宵に、晃は爽やかな笑顔を向けた。
 寝間着代わりのスエットを無理矢理着替えさせられ、外に引っ張り出されたのだ。
 コートやマフラーの類いの防寒着はまだ押し入れの中だった宵に、晃は自分のものを着せた。
 宵は今現在、晃のコートとマフラーを身につけている。そのため、隣に座る晃は、ずいぶんと薄着になってしまっていた。
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