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Memory of Night
第15章 告白

 薄着というか、厚めのセーター一枚だけらしい。
 宵はここに来る前に寒くないのか聞いたけれど、晃は首を振って大丈夫だと答えただけだった。
 朝食の代わりに近くのコンビニで肉まんを買って、すっかり白く染まった道を眺めながら歩いた。
 あいにく今日は日曜日。なんの予定もなかったので暇と言えば暇だけれど、朝寝坊くらいはゆっくりしていたかったというのが宵の気持ちだ。

「なんか、顔が見たくなっちゃって」

 降り積もった雪を手の平に乗せながら、晃が言う。
 裏もなく、屈託のない笑顔でそんなことを言われれば悪い気はしないけれど。

(なんか不機嫌になるたんびに甘い言葉でごまかされてる気がする)

 それはそれで腹が立つことこの上ない。

「……てかさっきから何やってんの?」

 宵は晃の手元を覗き込んだ。
 晃の視線は自分の手元に集中しいる。
 さきほどすくいあげた雪を地面の上で丸め、ぎゅっぎゅっと固めていた。

「宵にプレゼントしようと思って」
「……雪だるまとかいらねぇからな」
「……もうバレた」

 晃は声をあげて笑った。
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