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Memory of Night
第1章 誘い
今までの経験の中で、相手を悦ばせる術を宵はある程度学んでいた。
宵は晃を見上げ、どこか挑戦的な笑みを浮かべた。
「――わかったよ。いいぜ。その変態プレイ、引き受けても」
「本当に?」
「ああ」
晃はきっと普通の行為に慣れてしまっているのだろう。男子高校生なら、いろいろなことに興味を持つ年齢だろうと思う。
本格的に女装やSMプレイが好きなのだとしたらさすがについていけそうにないが、好奇心からそういう要求をしてきたのならのってやってもいいと思った。
言い値を払う。何よりそれが大きい。
「なら、今度の日曜、俺の家で。後で、住所を書いたメモを渡すから」
「わかった。俺、一組にいるから」
「知ってる」
それだけを言い残し、晃は部屋を出ていった。