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Memory of Night
第6章 再会

宵が、不良たちに冷ややかな目を向けて見送る。
だがふいに視線を感じて晃を見た。晃も自分を見ている。
晃に会うのは、夏休み初日のあの学校の時以来だった。
なんとなくかける言葉が見つからなくてしばらく晃を見つめていると、晃は驚いて見開いていた目を和らげた。
「……喧嘩強いね」
「そんなこと言ってる場合じゃねーだろ?」
宵は晃の顔を覗きこんだ。
どうやら晃は顔を殴られたようで、左頬は赤く腫れ、唇は切れて血が滲んでいた。
一瞬迷ったけれど、宵は右手を晃の顔のそばへ持っていくと、親指で唇の血を拭ってやった。
「……たく。喧嘩なんかしてんじゃねーよ。ろくにしたことねえおぼっちゃんのくせに。他に怪我とかしてねーか?」
「……心配してくれんの?」
逆に問い返され、宵は言葉に詰まってしまう。
晃とは一応知り合いの同級生だし、リンチまがいなことをされているのを見掛ければ、心配にだってなるだろう。
でも問い返してくる晃の声音には、どこかおもしろがっているようなふしもあった。

