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恋花火
第17章 Fall in love
駅の前には、商店街が広がっていた。
私の住んでいるところとは違う、街の匂い。
初めて見るお店、初めて歩く道路。
自然と繋がれていた手は、私を初めての街へと優しく誘ってくれる。
陸先輩は毎日ここの景色を見ているんだなと、思わずキョロキョロしてしまう。
「なんも面白くないっしょ。ほんと普通すぎて。」
「ううん、そんなことないです。陸先輩の育ったところ、もっと見てみたいです。」
そう伝えると陸先輩はまた、微笑んで。
こんなに優しい人が育った街を、もっと見てみたい。
もっと知りたい。
商店街を歩いていると、「陸ちゃん!女の子連れてどうした!?学校は!?」だとか、「相原くん、こんにちは。」などなど、商店街のお店の人や、お散歩しているおじいちゃんおばあちゃんに次から次へと話しかけられた。
「なんかマジでごめん。」
「え?なにがごめんですか?」
「……ムードがない。笑」
そんなのいいの。
ムードよりなにより、陸先輩のことを知ることの方が、ずっとずっと素敵だから。
思えば今日、私たちは学校をおサボりしている為、堂々と街を歩けないということに気が付いた。
「ちょっとゆっくり出来るとこにいこっか。」
陸先輩がそう言って歩き出した。
"ゆっくり出来るとこ行こうぜ"
急に思い出したのは、14歳のときの恋人、リョウ先輩のこと。
あの時、今のセリフと同じことを言われて、連れて行かれたのはカラオケだった。
そしてその密室で行われたのは、愛のない行為だった。
陸先輩は、商店街を抜け、ちょっと怪しい看板が立ち並ぶ通りに入った。
もしかして……いや、まさか陸先輩に限ってそんな……
もしリョウ先輩と同じことをされたら?
そんな事を考えながら、陸先輩に手を引かれるまま歩いた。
私の住んでいるところとは違う、街の匂い。
初めて見るお店、初めて歩く道路。
自然と繋がれていた手は、私を初めての街へと優しく誘ってくれる。
陸先輩は毎日ここの景色を見ているんだなと、思わずキョロキョロしてしまう。
「なんも面白くないっしょ。ほんと普通すぎて。」
「ううん、そんなことないです。陸先輩の育ったところ、もっと見てみたいです。」
そう伝えると陸先輩はまた、微笑んで。
こんなに優しい人が育った街を、もっと見てみたい。
もっと知りたい。
商店街を歩いていると、「陸ちゃん!女の子連れてどうした!?学校は!?」だとか、「相原くん、こんにちは。」などなど、商店街のお店の人や、お散歩しているおじいちゃんおばあちゃんに次から次へと話しかけられた。
「なんかマジでごめん。」
「え?なにがごめんですか?」
「……ムードがない。笑」
そんなのいいの。
ムードよりなにより、陸先輩のことを知ることの方が、ずっとずっと素敵だから。
思えば今日、私たちは学校をおサボりしている為、堂々と街を歩けないということに気が付いた。
「ちょっとゆっくり出来るとこにいこっか。」
陸先輩がそう言って歩き出した。
"ゆっくり出来るとこ行こうぜ"
急に思い出したのは、14歳のときの恋人、リョウ先輩のこと。
あの時、今のセリフと同じことを言われて、連れて行かれたのはカラオケだった。
そしてその密室で行われたのは、愛のない行為だった。
陸先輩は、商店街を抜け、ちょっと怪しい看板が立ち並ぶ通りに入った。
もしかして……いや、まさか陸先輩に限ってそんな……
もしリョウ先輩と同じことをされたら?
そんな事を考えながら、陸先輩に手を引かれるまま歩いた。