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恋花火
第18章 彼のROOTS
長い階段を下りながら、前を行く先輩を見ていた。


背の高い彼の頭頂部なんか普段見れないので、初めて見る場所。


「つむじー グリグリ」


……はっ


私ってば一体なにを……!?


陸先輩のつむじが可愛くて思わず。


タケルといるとこんなのは日常茶飯事だったので、なんとも思わず先輩のつむじをグリグリしてしまった。


先輩も私の奇行に驚いて、動きが止まってる。


「違うんです!!」


なにが?自分でも突っ込みたいくらい訳がわからない。


まるでいつぞや私に痴漢をしてきたあの人たちも、こんな気持ちだったのかなぁなんて思ったりして。


すると陸先輩は、ククッて笑って、私の手を取った。


「この手はやらしーので拘束します〜」


そう言って、世間では恋人つなぎと表現される、密着度が高いつなぎ方をされた。


雨降って地固まるってこのこと?


つむじグリグリしてよかった……!


そんな変態な私を、陸先輩は横目で見てまた笑ってる。


「……俺さ、別にいつも笑ってるわけじゃないんだよ。」

「でも今も笑ってますよ?」

「そう。菜月ちゃんといると、俺よく笑うみたい。誰だかさんはいっつもビービー泣いてっけど 笑」

「んなことないですよ!」

「でも、泣き顔も好きだったりする。そんな俺ってSかもしんない。」



S……陸先輩がS。


どうしよう、めちゃくちゃ責められたい。


とか思う私は、完全にM。






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