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恋花火
第21章 だって好きだから
タケルと話をしているうちに、頭がようやくクリアになってきた。


悩み事は紙に書けばいいと言うのと同じで、口に出すことで気持ちが整理出来た。


「菜月が不安な顔見せたら、陸先輩もきっと不安だと思う。あんま困らせんなよ。俺の大切な先輩なんだから。」


そうだね


本当にそうだね


「学校行こ!」

「急だな」

「だって悩み解決したし」

「よかったっすね。」


私の知る陸先輩も素敵だけど、タケルの知ってる陸先輩も素敵だった。


昨日よりも、さっきよりも


もっと好きになった気がする。


「陸先輩!」


駅に着くと、改札のところに陸先輩が立っていた。


「おはよー。俺も寝坊した。」って、今日も眼鏡かけてる。


「ごめんなさい!!」

「えっ」

「私も寝坊してしまいました!!あの…今日はタケルも…ってアレ?いない!」

「タケルなら今ダッシュで改札通り抜けてったけど…」

「いつの間に!?」


もうタケルとは登校しないって言ったから、それを忠実に守ってくれてるの?


「菜月ちゃん、ごめんなさいってなんのこと?」

「そのことなんですけど…」


昨日から少し血迷っていたことを謝った。


ほんのちょっとだけど、陸先輩のことを手離そうとしてしまったことも…みんな。


すると陸先輩は、「なんだそのことか」って


さっきのタケルと同じセリフを口にして笑った。


「本当に私、ビビリなんです。チキンヤローなんです…ごめんなさい…」

「俺も同じだよ。いつもビビリまくり。」

「え!?陸先輩も!?」


いつも余裕があって、ニコニコしていて、優しくて。


そんな陸先輩でもそんな時あるの?


「……俺、菜月ちゃんに"ごめん"って言われるたびビビってんだ、実は。」

「なんで…」

「ごめんなさい、やっぱりタケルが好きですって言われそうで…」


私は陸先輩が言い終わるのを待てずに抱きついた。


「ごめんなさい!」

「言ってるそばから?笑」

「ううん……。私自分のことばっかりで…」


陸先輩も同じ


私と同じ


幸せなのに不安になるんだよ。


だって好きだから


失うのが怖いから。


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