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第42章 ナミダボシ

美波は優しい語り口調で話し出す。


「陸先輩も言わないだけで、辛いと思うよ？気付きたくない事まで気付いてると思うし。」


陸先輩は、エスパー？ってくらい気付いてくる。


私の心の変化にも、私よりも気付くという……


「タケルには悪いけど私は陸先輩推しかな♡」

「えっ……、なんで？」

「なんでって。100人いたら99人陸先輩選ぶんじゃない？容姿端麗、スポーツ万能、あとは性格もいいし。まあ残りの1人はあんたってことで 笑」


なんかネタにされてますけど。


「私だって……！」

「だって、なに？陸先輩を選ぶって？」

「……そう。」

「間が長いよ。その分だけ迷いがありますね？」

「うるさい！もー電話切る！」

「あーごめんごめん。ふざけすぎた。」

「ほんとだよ！」


百歩譲って、美波だから許すけどね。


「……でもよく考えたら、亜美とかその後の彼女とはエッチしてなかったとしても、二川原さんとはしたような気がする……だって、私見たもん。」

「えっ、見たってまっ最中！？」

「まさか。でも二川原さんタケルのベッドにいたんだもん。」

「……ベッドにいただけ？服は？」

「服？服は着てたけど……」


美波は、ハァッと小さくため息をついた。


「ベッドにいたくらいでエッチしたって思ってんの？」

「うん。」

「……おやすみ。」


ツーツー


電話が切られた。


……でも、美波に話したらちょっとだけ落ち着いた。


頭がゴチャゴチャになってパンク寸前だったから


上手く空気を抜くことが出来たみたい。


お風呂入って、歯磨きをして。


おやすみなさい。