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恋花火
第44章 ハジメマシテのご挨拶
陸先輩は、そのあともう一度私を抱いた。
行為の最中に、何度もごめんと囁かれながら。
陸先輩の"ごめん"には、どんな意味が含まれているの?
考えたいのに、考えたくなくて
私は目の前の快感に溺れた。
今はまだ、それに気付きたくない____。
ようやく部室を出たのは、部活終了から一時間以上経過してからのことだった。
部活が終わった時既に陽は沈みかけ薄暗かったけど、それよりももっと暗い夜。
陸先輩と、手を繋いで歩いた。
擦りむいて痛かった手のひら。
それを包み込んでくれる陸先輩の温かい手。
その手に、私はいつも甘えてしまう……。
帰り際、家まで送ってくれた陸先輩とキスをする。
いつのまにか日課になっているこのキスは、欠かせないものとなっていた。
いつもは唇と唇が重なる優しいキスだけど、今日は違う。
今日は舌と舌が絡まりあうような、濃厚なキス……
「イチャつくなら密室でお願いしゃーす。」
「!?」
いきなり声をかけられ驚き振り向くと、「よっ♪」と右手を挙げた、陸先輩の従兄弟さん。
やだー!!見られたーあああ!!
「おまえ、どんだけ飢えてんの」
そう言って従兄弟さんは、陸先輩の胸の辺りをど突いていた。
私に言ったのかと思ったよ……
「飢えてなんか……」
「神聖な部室でなーにやってんだか。」
ひえぇ、それもバレてる……
罰が悪い私と陸先輩は、何も言えずに黙りこくった。
「…まぁ気持ちはわからなくもないけどねー」
従兄弟さんと陸先輩は、本当によく似ているなと思ったのは、口調も話し方のリズムも、まるで同じだったから。
そう思っていたら、「弟のことはなんでもわかっちゃうんだよね。」
……え。今なんて言った?
陸先輩の顔と、従兄弟さんの顔を交互に見る。
「ぶはっ」
従兄弟さんが吹き出して笑った。
「陸ー。おまえなんも言ってないわけ?」
「……別に、言うことでもないと思ったし。」
「なんだそれ。俺とはもう家族じゃないっての?」
「そうは言ってねーだろ。」
話が見えないでいると、従兄弟さんが言った。
「……俺の口からごめんね。陸と俺は兄弟なんだ。」
すると陸先輩が、「……腹違いのね。」被せるように、そう言った。
行為の最中に、何度もごめんと囁かれながら。
陸先輩の"ごめん"には、どんな意味が含まれているの?
考えたいのに、考えたくなくて
私は目の前の快感に溺れた。
今はまだ、それに気付きたくない____。
ようやく部室を出たのは、部活終了から一時間以上経過してからのことだった。
部活が終わった時既に陽は沈みかけ薄暗かったけど、それよりももっと暗い夜。
陸先輩と、手を繋いで歩いた。
擦りむいて痛かった手のひら。
それを包み込んでくれる陸先輩の温かい手。
その手に、私はいつも甘えてしまう……。
帰り際、家まで送ってくれた陸先輩とキスをする。
いつのまにか日課になっているこのキスは、欠かせないものとなっていた。
いつもは唇と唇が重なる優しいキスだけど、今日は違う。
今日は舌と舌が絡まりあうような、濃厚なキス……
「イチャつくなら密室でお願いしゃーす。」
「!?」
いきなり声をかけられ驚き振り向くと、「よっ♪」と右手を挙げた、陸先輩の従兄弟さん。
やだー!!見られたーあああ!!
「おまえ、どんだけ飢えてんの」
そう言って従兄弟さんは、陸先輩の胸の辺りをど突いていた。
私に言ったのかと思ったよ……
「飢えてなんか……」
「神聖な部室でなーにやってんだか。」
ひえぇ、それもバレてる……
罰が悪い私と陸先輩は、何も言えずに黙りこくった。
「…まぁ気持ちはわからなくもないけどねー」
従兄弟さんと陸先輩は、本当によく似ているなと思ったのは、口調も話し方のリズムも、まるで同じだったから。
そう思っていたら、「弟のことはなんでもわかっちゃうんだよね。」
……え。今なんて言った?
陸先輩の顔と、従兄弟さんの顔を交互に見る。
「ぶはっ」
従兄弟さんが吹き出して笑った。
「陸ー。おまえなんも言ってないわけ?」
「……別に、言うことでもないと思ったし。」
「なんだそれ。俺とはもう家族じゃないっての?」
「そうは言ってねーだろ。」
話が見えないでいると、従兄弟さんが言った。
「……俺の口からごめんね。陸と俺は兄弟なんだ。」
すると陸先輩が、「……腹違いのね。」被せるように、そう言った。