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恋花火
第7章 不機嫌なGIRL
合宿も終わり、迎えたお盆。
お盆は毎年お墓まいりをするんだけど、それには必ずタケルが付き添ってくる。
「これ、おかんから。」
「わぁ〜綺麗なお花、今年もこんなにいっぱいいいの?」
「うん。持ってけって。」
「ほんとに、毎年ありがとね、タケル。」
お礼を言っても、うん、と頷くだけなんだけど…
私の隣でお墓に手を合わせるタケルの横顔を見ていると…
泣きそうになる。
「菜月のとーちゃんかーちゃん、見てっかな。」
「どうかなぁ〜」
私には、両親がいない。
正確に言えば、いなくなった。
私がまだ3歳の頃に出かけた家族旅行で事故に巻き込まれて
二人とも、いなくなってしまった。
物心ついたとき既に両親はいなかったので、悲しかったとか、そんな記憶はない。
ただ、事故後は母方の祖父に育てられ、祖父は仕事で忙しかったため、私は家で一人で過ごす事が多かった。
…いや、一人じゃない。
いつもそばには、タケルがいた。
祖父はタケルを実の孫のように可愛がっていたし
タケルの家族は私を娘のように扱ってくれた。
だから、寂しくなんかなかった。
「今日迎え火やろーぜ。」
「うん。」
私が、お父さんお母さんがいなくて寂しいなぁと思う暇もないくらいタケルはそばにいてくれた。
そんなタケルを好きになって、当然だよね?
家族のような存在のタケルは、私の救世主だった。
お盆は毎年お墓まいりをするんだけど、それには必ずタケルが付き添ってくる。
「これ、おかんから。」
「わぁ〜綺麗なお花、今年もこんなにいっぱいいいの?」
「うん。持ってけって。」
「ほんとに、毎年ありがとね、タケル。」
お礼を言っても、うん、と頷くだけなんだけど…
私の隣でお墓に手を合わせるタケルの横顔を見ていると…
泣きそうになる。
「菜月のとーちゃんかーちゃん、見てっかな。」
「どうかなぁ〜」
私には、両親がいない。
正確に言えば、いなくなった。
私がまだ3歳の頃に出かけた家族旅行で事故に巻き込まれて
二人とも、いなくなってしまった。
物心ついたとき既に両親はいなかったので、悲しかったとか、そんな記憶はない。
ただ、事故後は母方の祖父に育てられ、祖父は仕事で忙しかったため、私は家で一人で過ごす事が多かった。
…いや、一人じゃない。
いつもそばには、タケルがいた。
祖父はタケルを実の孫のように可愛がっていたし
タケルの家族は私を娘のように扱ってくれた。
だから、寂しくなんかなかった。
「今日迎え火やろーぜ。」
「うん。」
私が、お父さんお母さんがいなくて寂しいなぁと思う暇もないくらいタケルはそばにいてくれた。
そんなタケルを好きになって、当然だよね?
家族のような存在のタケルは、私の救世主だった。