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Complex
第4章 新天地
「結局、この中で幸せになれたのは誰なんだろう?」
DVDをケースにしまう綾瀬を見ながら、友香は呟く。
「さぁねー。友香ちゃんはどんなラストを期待したの?」
「んー、彼女は誰と一緒になるのが幸せなのかな」
時計を見ると、もう4時を回っている。
それに気がつくと突然の睡魔が二人を襲った。
誘われるがままに友香は綾瀬の隣に滑り込む。
セミダブルのベッドは広いけれど、二人で眠るには狭すぎる。
けれど綾瀬はそっと友香を抱きしめてくれた。
ただ、それだけ。
それ以上のことは、何もない。
綾瀬の胸に埋まりながら、友香は考える。
映画のラストは、友香にはよくわからなかった。
彼女が何を選択したのか、何を捨てたのか。
でも私は、はっきりしているはずだ。
圭太とは、何も起きない。
もう、昔のような関係は今日という日に終わった。
じゃあ綾瀬とは?
この関係をはっきりさせなくては、と焦っていたけれど。
こんなにも綾瀬は寒さに震えた私を包んでくれる。
心の痛みを理解してくれる。
無理強いすることも、突き放すこともしない。
抱きしめて、その存在を確かめさせてくれるだけだ。
これを、手放したくない。
友香はぎゅっと綾瀬の腕を掴む。
けれどもかすかに寝息を立てている綾瀬はそれに気がつかない。
「大好きです、綾瀬さん」
小さな声で、友香は綾瀬に告げた。
DVDをケースにしまう綾瀬を見ながら、友香は呟く。
「さぁねー。友香ちゃんはどんなラストを期待したの?」
「んー、彼女は誰と一緒になるのが幸せなのかな」
時計を見ると、もう4時を回っている。
それに気がつくと突然の睡魔が二人を襲った。
誘われるがままに友香は綾瀬の隣に滑り込む。
セミダブルのベッドは広いけれど、二人で眠るには狭すぎる。
けれど綾瀬はそっと友香を抱きしめてくれた。
ただ、それだけ。
それ以上のことは、何もない。
綾瀬の胸に埋まりながら、友香は考える。
映画のラストは、友香にはよくわからなかった。
彼女が何を選択したのか、何を捨てたのか。
でも私は、はっきりしているはずだ。
圭太とは、何も起きない。
もう、昔のような関係は今日という日に終わった。
じゃあ綾瀬とは?
この関係をはっきりさせなくては、と焦っていたけれど。
こんなにも綾瀬は寒さに震えた私を包んでくれる。
心の痛みを理解してくれる。
無理強いすることも、突き放すこともしない。
抱きしめて、その存在を確かめさせてくれるだけだ。
これを、手放したくない。
友香はぎゅっと綾瀬の腕を掴む。
けれどもかすかに寝息を立てている綾瀬はそれに気がつかない。
「大好きです、綾瀬さん」
小さな声で、友香は綾瀬に告げた。