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Complex
第2章 始動
翌日も山口は休みだった。
みんな言葉を濁したけれど、家庭で不幸があったようで、あとニ、三日は出勤しないとのことだった。
いつもよりも少し遅めの時間に予約を入れていたため、綾瀬にも会わなかった。
やっと一週間終わったというのに、2人がいないとなぜだか心細い。
その穴を埋めるかのように、代理でついたトレーナーは饒舌だ。
友香と同じくらいの年齢だろうか。
このジムでは数少ない女性トレーナーだった。
「小林さん、山口君から聞いてるよりもだいぶ動けてるじゃないですかー。もう少し負荷強くしていいです?」
溢れる汗を拭っていると、そのトレーナー、堀場が機械の調整をする。
「どうです?初めて一週間ですけど、成果出始めてる頃じゃないです?」
早口で、けれど押し付けるようなイメージを与えない彼女の話し方は、体を動かすことが好きな女性特有のものだと思う。
友香の周りにはいないタイプ。
でも、嫌いじゃない。
「どうなんでしょう?でも、体動かしてるせいか規則正しい生活が送れてる気がします」
「そう、それそれ。運動して、太陽に合わせてきちっと休む。そうするだけで体の中のバランスが良くなるでしょ?で、次は外側もバランスがよくなるの」
ショートカットの髪を揺らしながら、必死に話す彼女は、どこか愛らしい。
なんとなくだけれど、山口ととてもお似合いな雰囲気だ。
2人とも、スポーツマンと言うには、どこかあどけなくて柔らかい印象を受ける。
「入会のときに見かけたときよりも、髪型のせいですかね?なんかすっきりしてきましたよね。ここからは体のラインもどんどん変わっていきますよー。楽しい時期ですねっ」
彼女は友香の姿をじっくりと上から下まで眺め、何かに納得したのかうんうん、と頷いている。
確かに、体重は大きく変わってはいないけれど。
集中してトレーニングしているお腹は以前よりも細くなってきたように思う。
まだまだだけれども、脇腹の部分がくびれとまではいかなくても、どことなくすっきりしてきた。
効果が出始めるとやる気も出る。
彼女の言う通りだ。
みんな言葉を濁したけれど、家庭で不幸があったようで、あとニ、三日は出勤しないとのことだった。
いつもよりも少し遅めの時間に予約を入れていたため、綾瀬にも会わなかった。
やっと一週間終わったというのに、2人がいないとなぜだか心細い。
その穴を埋めるかのように、代理でついたトレーナーは饒舌だ。
友香と同じくらいの年齢だろうか。
このジムでは数少ない女性トレーナーだった。
「小林さん、山口君から聞いてるよりもだいぶ動けてるじゃないですかー。もう少し負荷強くしていいです?」
溢れる汗を拭っていると、そのトレーナー、堀場が機械の調整をする。
「どうです?初めて一週間ですけど、成果出始めてる頃じゃないです?」
早口で、けれど押し付けるようなイメージを与えない彼女の話し方は、体を動かすことが好きな女性特有のものだと思う。
友香の周りにはいないタイプ。
でも、嫌いじゃない。
「どうなんでしょう?でも、体動かしてるせいか規則正しい生活が送れてる気がします」
「そう、それそれ。運動して、太陽に合わせてきちっと休む。そうするだけで体の中のバランスが良くなるでしょ?で、次は外側もバランスがよくなるの」
ショートカットの髪を揺らしながら、必死に話す彼女は、どこか愛らしい。
なんとなくだけれど、山口ととてもお似合いな雰囲気だ。
2人とも、スポーツマンと言うには、どこかあどけなくて柔らかい印象を受ける。
「入会のときに見かけたときよりも、髪型のせいですかね?なんかすっきりしてきましたよね。ここからは体のラインもどんどん変わっていきますよー。楽しい時期ですねっ」
彼女は友香の姿をじっくりと上から下まで眺め、何かに納得したのかうんうん、と頷いている。
確かに、体重は大きく変わってはいないけれど。
集中してトレーニングしているお腹は以前よりも細くなってきたように思う。
まだまだだけれども、脇腹の部分がくびれとまではいかなくても、どことなくすっきりしてきた。
効果が出始めるとやる気も出る。
彼女の言う通りだ。