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Complex
第2章 始動
ぐったりと横たわる友香の体を綾瀬は綺麗に拭き取る。
恥ずかしいけれど、それを訴えるほどの体力が残っていない。

綾瀬は横たわると、そのまま友香の体を腕に抱く。
腕枕をされる格好のまま、目の前に広がる柔らかい筋肉。
無意識に友香はその胸筋に手を置く。

「ね、一緒にお風呂入ろう?」

シーツで体を隠しながら、友香は首を振る。

「今さら、恥ずかしいとか?」
「いつだって、恥ずかしいですよ?」
「あーあ。山口君にトレーニング激しくするように言わないと」

そう言いながら、彼はゆっくりと友香のお腹を揉むように触る。

「だから、ダメって…」

見上げると、優しそうに微笑む綾瀬の顔があった。

「ね、もう一回しようか?」
「無理!死んじゃうっ」
「あはは、やっぱり?体力もつけないとねー」
「綾瀬さんがタフ過ぎるんですよ」
「伊達に鍛えてないし?でも、いいダイエットになったでしょ?」

確かに。
後半はスタミナが切れて息をするのも苦しかった。
脚はいまだにガクガクしていそうだ。

「綾瀬さんって、何歳なんです?」
「言ってなかったっけ?今年41になったかな。おじさん?」
「見えないっ。魅力ある大人の男ですよ、綾瀬さんは」

41歳。
思ったよりも上だった。
それなのにこの体力、行動力。
羨ましい。

そう言葉に出そうとしたものの、気がつけば睡魔に襲われる。

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