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けいやく
第2章 きっかけ。
レストランで 食事を しながら、目の前に拡がる 夜景を 眺めた。
ホテルの 部屋は 利用していたが 、レストランは 一度も 来たことは ない。
眼下に 写る 色とりどりの 灯を 見つめながら、同席しているのは つい先日 知り合った 赤の他人。
「どうか なさいましたか」
『いえ、夜景が 綺麗だと 思いまして』
「いつも このホテルを 利用してたのに ですか」
”利用してたのに。。。”
言い回しが 気になるが 表情を 表さないよう 微笑む。
『ええ、客室だけ 利用していましたので
ところで お話しとは?
お食事も 終わってしまいます
手短に 済む お話しでしょうか』
「お気に為さらず
この後 部屋は 取っておりますので 」
滝野の 瞳の奥に 揺らめく灯火に 気づかない振りをして、私は 微笑みを 崩さないようにした。